FXを2万円で2〜3年やってみた結果は「負け」。それでも投資の第一歩として最高だった実体験

社会人2年目、余剰資金2万円・レバレッジ10倍でFXを2〜3年やった僕のリアルな記録。トータル約2.5万円の負け、ロスカット、海外業者のスプレッド地獄、自動売買の挫折まで正直に。そして今の投資信託につながった理由を語ります。

先に結論から言います。僕はFXで負けました。

社会人2年目のとき、余剰資金の2万円で国内FX(SBI FXトレード)を始め、途中で海外業者にも5,000円入れて、2〜3年ほど遊びました。トータルの損益は約2.5万円のマイナス。「センスなかったな」というのが正直な感想です。

でも——まったく後悔していません。 むしろ「やってよかった」と本気で思っています。この2.5万円は、今の僕の投資(投資信託の積立)を支える"授業料"になったからです。

この記事は、FXの「やり方」の解説ではありません。実際にやってみた一人の記録です。いくら負けて、何にヒヤッとして、何を学んだのか。そして「これから始めようかな」という人に、僕の失敗が少しでも役に立てばと思って書いています。


1. なぜ「2万円」で始めたのか——実はこれが正解だった

投資って何から始めればいいか分からなかった当時の僕にとって、FXは「投資の代表」みたいなイメージがありました。ニュースでも為替は毎日流れているし、24時間取引できて、少額から始められる。とっつきやすかったんです。

で、いくら入れるか。僕は2万円にしました。理由はシンプルで——

「この2万円で勝てないなら、金額を大きくしても勝てない」

と思ったからです。FXは、1万通貨で負ける人が、10万通貨に増やしたら勝てるようになる、なんてことはありません。「1ドルで勝てないなら、10ドル買っても勝てない」のと同じで、金額を大きくしても勝率は変わらないからです。

しかもFXは、株と違って小さく始められるうえ(最近は株も1株から買えるのが普通になってきましたが)、取引のたびにかかるコスト(スプレッド)の率は金額の大小で変わらないので、「大きく張ったから有利になる」という要素もありません。だったら、まず少額で「自分に相性があるか」を試すのが合理的だと考えました。

たまに、いきなり数百万円をFXに突っ込んでいる人を見かけますが、個人的にはおすすめしません。 金額が大きいほど、負けたときのダメージも、冷静さを失うリスクも跳ね上がります。FXは「授業料を払って学ぶ」ものと割り切れば、少額スタートは最高のリスク管理です。大金を入れていたら、たぶん僕も冷静ではいられませんでした。


2. 環境:レバレッジ10倍・ドル円と豪ドル円

具体的なセットアップはこんな感じでした。

項目内容
業者国内(SBI FXトレード)+のちに海外(iFOREX)
元手国内2万円(+海外に5,000円)
レバレッジ10倍くらい
通貨ペアドル円・豪ドル円
期間社会人2年目から2〜3年

レバレッジは10倍前後にしていました。国内(SBI FXトレード)の上限は25倍ですが、フルレバは怖かったので抑えめに。それでも10倍あれば、2万円で約20万円分のポジションが持てます。ドル円が150円のころなら、約1,300通貨を持てる計算です。ドル円が1円動けば、1,300通貨で約1,300円の損益。元手2万円に対して、1円の値動きで約6.5%が動くわけです。数字にすると小さく見えますが、毎日ジリジリ含み損が膨らむと、想像以上の緊張感でした。

補足すると、FXは株のように「レバレッジを何倍にする」という設定項目があるわけではありません。自分がどれだけの数量(ロット)を買うかを決め、それが証拠金の何倍になるか=レバレッジというだけです。国内(SBI)も、あとで触れる海外業者も、この「自分で数量を決める」点は同じでした。違うのは"上限"で、国内は金融庁規制で一律25倍までなのに対し、海外業者はぐっと高く、僕が使ったiFOREXは最大400倍(海外は業者によって数十倍〜1,000倍超まで幅があります)。設定で切り替えるというより、少ない証拠金でも一気に大きなポジションを持ててしまう感覚で、ここは国内と海外でまるで違いました。

通貨ペアはドル円と豪ドル円。豪ドル円はスワップ(後述)が高いと聞いて手を出しました。


3. やってみたリアル——アドレナリンとロスカット

初めてのトレードの詳細は、正直もう覚えていません。でも、急に値が動いたときのドキドキだけは鮮明に覚えています。含み益が増えたり減ったりするのをリアルタイムで見ていると、アドレナリンが出まくりでした。

これ、けっこう危険な感覚です。「勝った/負けた」の刺激そのものが快感になってしまうと、冷静な判断ができなくなる。ギャンブルにハマる構造とよく似ています。

そして——ロスカットは経験しました。 含み損が膨らんで、証拠金維持率が下がって、強制決済。ポジションが自分の意思と関係なく閉じられる、あの感覚です。

ただ、救いだったのは追証(追加証拠金の請求)は食らわなかったこと。そして大火傷もしなかった

ここは誤解してほしくないのですが、国内FXは制度上ゼロカットが禁止されていて、原則として追証がありうる仕組みです(相場が急変してロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになれば、その不足分は追加で支払う義務が生じます)。僕が追証を食らわなかったのは「国内だから安全」だったわけではなく、入金額が2万円と少額で、ロスカットが機能する範囲の値動きで済んだからにすぎません。少額だったおかげで、ロスカットされても失うのは数千円〜。もし大金を入れていて、フラッシュクラッシュのような急変に当たっていたら、精神的にも金銭的にも、もっと深い傷になっていたはずです。


4. 海外業者にも手を出した——スプレッドの消耗戦で5,000円が溶けた

途中で「海外業者はハイレバレッジで一発狙える」と聞いて、興味本位で海外業者のiFOREXにも5,000円ほど入れてみました。**CFD(差金決済取引)**というのも見てみたかったんです。

結論、すぐ溶けました。 ハイレバで大きく張れる分、値動きに一瞬で証拠金を持っていかれる。それに加えて、国内とスプレッド(買値と売値の差)が違いすぎて、取引するたびにコストで削られる消耗戦の感覚がすごかった。5,000円はあっという間になくなり、これでトータルで約2.5万円のマイナスが確定しました。

ただ、ひとつ救いだったのは、iFOREXには追証がなかったことです。多くの海外業者は「ゼロカット」といって、口座残高がマイナスになっても不足分を業者が負担してくれる(=追加入金を請求されない)仕組みを採用しています。iFOREXの高いレバレッジでも**"借金"を背負わずに済む**のは、国内にはない海外の特徴でした(そのぶんスプレッド等のコストは高めですが)。

ただし、このゼロカットは過信できません。ゼロカットは法律で保証された制度ではなく、あくまで各業者が任意で約款に定めているサービスです。海外業者の多くは日本の金融庁に無登録で、日本の投資家保護(信託保全など)の対象外。業者が破綻すれば預けた資金が戻らないリスクがあり、フラッシュクラッシュのような極端な相場ではゼロカットが約款どおり適用されない・処理が追いつかないケースも指摘されています。「海外=ゼロカットがあるから安心」と単純には言えない、というのは押さえておいてください。

海外業者は「ハイレバで夢がある」一方で、スプレッドや税制が国内と大きく違います。特に税金は、国内FXが一律20.315%の申告分離課税なのに対し、海外FXは総合課税で、所得が多いと最大約55.9%(内訳は所得税45%・住民税10%に、復興特別所得税〔所得税額の2.1%ぶん〕が上乗せされます。この上乗せがあるぶん、所得税と住民税を単純に足した55%よりわずかに高くなります)。ここを知らずに稼ぐと、あとで税金に驚くことになります。


5. 「持ってるだけで減っていく」——スワップ(金利差)で長期保有は無理だと悟った

豪ドル円を持っていて気づいたことがあります。ポジションを持ち続けているだけで、じわじわ残高が減っていく日があるんです。

これがスワップポイントでした。FXは2国間の金利差に応じて、ポジションを翌日に持ち越すとスワップを受け取ったり、逆に支払ったりします。金利差が不利な向きだと「マイナススワップ」になり、持っているだけで毎日コストがかかる

当時の僕はこれを「税金みたいに減る」と思っていましたが、正確には税金ではなくスワップ(金利差の支払い)です。税金は利益を確定したときにかかるもので、保有中に減るのはスワップやスプレッドといった保有コストのほうです。

この体験で、**「FXは長期でのんびり持つのには向かない」**と腹落ちしました。金利差やコストで日々削られるので、基本は短〜中期で決着させる世界なんだと。


6. なぜ勝てなかったのか——テクニカルだけでも、ファンダだけでも勝てない

2〜3年やって、はっきり分かったことがあります。

テクニカル分析(チャートの形)だけでも勝てないし、ファンダメンタルズ(経済指標や金融政策)だけでも勝てない。

チャートのパターンを覚えて「ここで反転する」と思っても、指標発表一発で吹き飛ぶ。逆に、金利や景気を読んでも、短期の値動きはチャートの需給で動く。両方を見て、かつ資金管理とメンタルが揃って、ようやくスタートラインという感じでした。

そして一番効いてくるのが、テクニックより資金管理とメンタルでした。「1回の負けをいくらに抑えるか」「感情で無茶な枚数を張らないか」。ここが崩れると、手法が正しくても退場します。


7. 自動売買にも挑戦した——そして「実戦投入せず」に諦めた

「自分の感情がダメなら、機械にやらせればいいのでは?」

そう思って、僕は自動化にも2種類チャレンジしました。

  1. Power Automateで、チャートの情報を自動で読み取って、テクニカルの条件で売買判断させる仕組み
  2. MT4(MetaTrader 4)上で、自分でコードを書いて組んだ機械学習ベースの売買モデル

面白かったのは②です。過去データでのバックテストは、うまくいっていました。「これはいけるかも」と思ったんです。

ただ、この時点ではMT4はどの業者とも連携させていませんでした。 まず単体で作って、うまくいくと確認できたら業者につなぐ——という段取りにしていたからです。

なので、本番につなぐ前に慎重に検証しました。発注(実際に買う部分)はまだ繋がず、リアルタイムの値動きに対して「売り・買いの判定だけ」をさせて、ログを残す——いわば"実弾を撃たないフォワードテスト"です。「この判定どおりに売買していたら、いくら勝てていたか」をログで確かめました。

結果は——勝てない判定が続きました。 バックテスト(過去)では良くても、未知の値動き(実際の相場)では通用しない。過去データに合わせ込みすぎた(いわゆる過学習)典型だったのだと思います。

そこで、業者につなぐことなく(実弾を入れず)撤退しました。これは大きな学びでした。「システムトレードなら楽に勝てる」というイメージは幻想で、バックテストが良くても、本番の相場で勝てるとは限らない。自動化は「勝てる手法を効率化する」もので、「勝てない手法を勝たせる魔法」ではないんです。「実戦の前にログで見極めて、勝てないなら手を出さない」判断も、立派な資金管理だと思います。


8. それでも「やってよかった」——投資のさわりに触れられた

トータルでは約2.5万円のマイナス。でも、お金以外で得たものは、はるかに大きかったです。

  • 投資という世界の"さわり"に触れられた:チャート、指標、金利、税金……お金が動く仕組みを、実際に自分のお金で体験できた
  • 相場観が身についた:ニュースの為替や金利の話が、自分ごととして理解できるようになった
  • メンタルが鍛えられた:最初は2万円の値動きでドキドキしていたのが、最後のほうは慣れて、淡々と見られるようになっていた

この「慣れ」が、僕にとって一番の収穫でした。


9. 今の投資信託の「握力」は、FXで鍛えたもの

今の僕は、FXはやっていません。代わりに**投資信託とETF(インデックス中心の積立)**をメインに、淡々と続けています。

そして気づくんです。暴落が来ても慌てず持ち続けられる"握力"は、あのFXの経験で鍛えられたんだと。

2万円が数千円に減るのを何度も見て、値動きに一喜一憂する無意味さを体で覚えた。だから今、資産が一時的に何割か下がっても、「まあ、こういうもんだよね」と握っていられる。FXという"荒れた海"で泳いだ経験が、投資信託という"穏やかな航海"の土台になっている——これは大げさでなく、本当にそう感じています。

もしFXをやっていなかったら、そもそも投資信託も、株も始めていなかったかもしれません。**FXは、僕にとって投資への「入り口」**でした。


10. これから始める人へ——「向く人・向かない人」とツールの使い方

僕の経験から、FXが向く人・向かない人を正直に書きます。

向いている人向かない人
自制心があり「勉強・経験」と割り切れる人一発逆転・短期で増やしたい人
資金管理(負けの上限設定)ができる人感情で枚数を増やしてしまう人
少額で「投資の入り口」を体験したい人生活資金を投じてしまう人

FXは一発逆転の道具ではありません。でも、投資の世界への一歩目としては敷居が低く、学べることが多い。少額で割り切れるなら、僕はおすすめします。

そして、始めるなら——いきなり本番でお金を賭ける前に、計算ツールで「感覚」を掴むのが遠回りに見えて近道です。「レバレッジをかけると、1円の値動きでいくら損益が出るのか」「どこまで逆行したらロスカットなのか」。この最初のイメージをツールで掴んでおくだけで、本番の緊張感がだいぶ違います。

あとは、メンタルを含めて少額で実践演習あるのみ。ツールで頭を、少額の実戦で体を慣らす。この二段構えが、僕が「こうすればよかった」と思う始め方です。

FXの損益・レバレッジを試算する

通貨ペアと数量、値動きを入力して、いくらの損益・ロスカットになるかを事前にシミュレーション。まず「感覚」を掴んでから始めましょう。


まとめ:2.5万円の授業料で得たもの

最後に、僕のFX体験をまとめます。

  • 結果は2.5万円の負け(国内2万+海外5,000)。センスはなかった
  • 少額スタートは正解だった。授業料と割り切れたから、大火傷せずに済んだ
  • ロスカットは経験したが追証はなし。海外はスプレッド消耗で撤退
  • スワップ(金利差)で長期保有は無理だと学んだ
  • テクニカルもファンダも資金管理もメンタルも、全部いる
  • 自動売買はバックテストは通ったが、実際の値動き(フォワードテスト)で勝てず断念。実弾は入れなかった
  • それでも投資の入り口・相場観・メンタルという財産が残り、今の投資信託につながっている

FXは、僕にとって「勝てなかったけど、やってよかった」経験でした。もしあなたが投資の一歩目を探しているなら、失っても大丈夫な少額で、学ぶつもりで触れてみるのは、選択肢の一つだと思います。

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