年収手取り計算のロジック・計算式を完全解説
給与所得控除、社会保険料、所得税、住民税の計算式を具体例付きで解説。自分の給与明細と照らし合わせて検算できるよう、計算プロセスをすべて公開します。
執筆:しぐ ・ 更新日: 2026-09-29
「シミュレーターの結果が実際の給与と合わない」「どの計算式が使われているか知りたい」
そんな方のために、当サイトの年収手取りシミュレーターで使っている計算ロジックをすべて公開します。年収600万円(独身・40歳未満)を軸に段階計算を示し、年収300万・500万・800万・1,000万の結果も並べて比較します。
手取り計算の全体像
手取りは以下の5ステップで算出されます。
① 額面年収 − 給与所得控除 = 給与所得
② 給与所得 − 各種所得控除(基礎控除・社会保険料控除等)= 課税所得
③ 課税所得 × 所得税率 − 税額控除 = 所得税
④(課税所得(住民税用)× 6% − 調整控除の市町村民税分)+(× 4% − 道府県民税分)※各100円未満切捨
+ 均等割・森林環境税(5,000円)= 住民税
⑤ 額面年収 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税 = 手取り
ステップ1:給与所得控除の計算
給与所得控除は「会社員のみなし経費」として、年収から自動的に差し引かれる控除です。令和8年改正で最低保障額が65万円から74万円へ引き上げられ(令和8年分から適用)、2026年(令和8年分)以降の計算式は以下の通りです。なお令和8・9年分は時限措置として、年収220万円までは控除額が74万円を下回らないよう据え置かれます。
| 年収(額面) | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 220万円以下 | 74万円(最低保障。令和8・9年分限定) |
| 220万〜360万円 | 年収 × 30% + 8万円 |
| 360万〜660万円 | 年収 × 20% + 44万円 |
| 660万〜850万円 | 年収 × 10% + 110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
上表は令和8年分・令和9年分の値です。最低保障の74万円は本則69万円に代えて適用されるもので、使えるのはこの2年だけです(租税特別措置法29条の4。⚠️この条番号は2026年12月1日施行版以降のもので、それ以前の版の29条の4は別の特例です)。令和10年分からは本則の69万円に戻り、最低保障が効く範囲も年収約203.3万円(203万3,333円=年収×30%+8万円が69万円に届く水準)以下まで下がります(所得税法28条3項1号。⚠️69万円は2027年1月1日施行版の条文で、現行版は65万円です)。360万円超の3区分は変わりません。
| 年収(額面) | 令和8・9年分 | 令和10年分以後 |
|---|---|---|
| 約203.3万円以下 | 74万円 | 69万円 |
| 約203.3万〜220万円 | 74万円 | 年収 × 30% + 8万円 |
| 220万円超 | 上表のとおり(変更なし) | 上表のとおり(変更なし) |
なお令和10年分以後の最低保障額は物価の動きに応じて2年ごとに見直すことが基本とされているため、69万円は確定値ではありません。
各年収の給与所得控除額と給与所得:
| 年収 | 計算式 | 控除額 | 給与所得 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 300万×30%+8万 | 98万円 | 202万円 |
| 500万円 | 500万×20%+44万 | 144万円 | 356万円 |
| 600万円 | 600万×20%+44万 | 164万円 | 436万円 |
| 800万円 | 800万×10%+110万 | 190万円 | 610万円 |
| 1,000万円 | 上限適用 | 195万円 | 805万円 |
850万円超から控除は195万円で固定されます。年収が増えても控除が増えない(逓減する)ため、年収1,000万円以上では実効的な税負担率が上昇します。
ステップ2:社会保険料の計算
2-1. 標準報酬月額の決定
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、実際の月給をそのまま使うのではなく、標準報酬月額(等級表に基づく固定値)を基に計算します。
標準報酬月額は月給(基本給+残業代+各種手当など)を約50の等級に区分したものです。
例:月給50万円(年収600万円)→ 標準報酬月額50万円
2-2. 各保険料率(令和8年度/2026・東京・協会けんぽ)
| 保険の種類 | 全体の保険料率 | 労使折半後の本人負担率 |
|---|---|---|
| 健康保険(40歳未満) | 9.85% | 4.925% |
| 健康保険(40〜64歳:介護含む) | 11.47% | 5.735% |
| 厚生年金保険 | 18.3% | 9.15% |
| 雇用保険(一般の事業) | 1.35% | 0.5% |
| 子ども・子育て支援金(令和8年度新設) | 0.23% | 0.115% |
40〜64歳(介護保険第2号被保険者)では介護保険料(令和8年度の率1.62%・本人約0.81%)が追加になります(上の「40〜64歳:介護含む」行に算入済みで、別途足すものではありません)。 子ども・子育て支援金は令和8年4月新設で、健康保険料に合算して徴収されます(本人負担0.115%)。
2-3. 厚生年金の上限
厚生年金の標準報酬月額には上限があります(2026年度は65万円。2027年9月から68万円)。2026年度は、年収が高くても毎月の給与から引かれる厚生年金の本人負担は月約5.9万円が上限です(賞与には、これとは別に厚生年金がかかります)。健康保険は上限が高く(139万円/月)、一般的な年収帯では上限未達が多いです。
2-4. 各年収の社会保険料(概算・40歳未満)
シミュレーターは標準報酬月額テーブルを使いますが、概算では以下のように計算します(賞与なし=年収を12等分した月給で概算)。
| 年収 | 標準報酬(月額・概算) | 健康保険(年) | 厚生年金(年) | 雇用保険(年) | 社会保険料合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 26万円 | 約157,248円 | 約285,480円 | 約15,000円 | 約458,000円 |
| 500万円 | 41万円 | 約247,968円 | 約450,180円 | 約25,000円 | 約723,000円 |
| 600万円 | 50万円 | 約302,400円 | 約549,000円 | 約30,000円 | 約881,000円 |
| 800万円 | 68万円(厚年は65万で上限) | 約411,264円 | 約713,700円 | 約40,000円 | 約1,165,000円 |
| 1,000万円 | 83万円(厚年は65万で上限) | 約501,984円 | 約713,700円 | 約50,000円 | 約1,266,000円 |
※健康保険は実際の月給全額にかかる(上限まで)。厚生年金は65万円の上限等級(2026年度)で固定(合計には子ども・子育て支援金〔本人0.115%〕を含む)。
ステップ3:課税所得の計算
所得税の課税所得
課税所得(所得税)= 給与所得 − 基礎控除 − 社会保険料控除 − その他控除
令和8年分の所得税の基礎控除は合計所得(給与所得)に応じた段階制です(合計所得489万円以下104万円/489万円超655万円以下67万円/655万円超2,350万円以下62万円)。本則62万円に令和8・9年分の時限上乗せ(489万円以下は+42万円、489万円超655万円以下は+5万円)が加わった額です。旧来の一律48万円や、令和7年分の段階制(95/88/68/63/58万円)ではありません。
| 年収 | 給与所得 | 社会保険料控除 | 基礎控除 | 課税所得(所得税) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 202万円 | 45.8万円 | 104万円 | 約52.2万円 |
| 500万円 | 356万円 | 72.3万円 | 104万円 | 約179.7万円 |
| 600万円 | 436万円 | 88.1万円 | 104万円 | 約243.9万円 |
| 800万円 | 610万円 | 116.5万円 | 67万円 | 約426.5万円 |
| 1,000万円 | 805万円 | 126.6万円 | 62万円 | 約616.4万円 |
住民税の課税所得
住民税の基礎控除は令和8年改正後も段の位置・額とも据え置きで、合計所得2,400万円以下なら43万円です(2,400万円超は29万円、2,450万円超は15万円、2,500万円超はゼロ=地方税法34条2項・314条の2第2項)。所得税側だけ段階制で62〜104万円に引き上げられたため、低中所得帯では所得税との差が拡大しています。社会保険料控除は同額。
課税所得(住民税)= 給与所得 − 基礎控除(合計所得2,400万円以下なら43万円)− 社会保険料控除
合計所得2,500万円以下では住民税の基礎控除のほうが所得税より小さいため、住民税の課税所得は所得税の課税所得より大きくなります(基礎控除の差。合計所得2,350万円以下の帯では年収帯によって十数万〜数十万円)。合計所得2,500万円超は基礎控除が所得税・住民税ともゼロになりますが、扶養控除(住民税33万円・所得税38万円)や生命保険料控除の上限(住民税は合計7万円・所得税は合計12万円)には本人の所得による制限がないので、これらを使う人は2,500万円超でも住民税の課税所得のほうが大きくなります。
ステップ4:所得税の計算
所得税は「超過累進課税」です。課税所得を税率区間に分けて各区間に税率を適用します。
| 課税所得 | 税率 | 税額控除額(速算控除) |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万〜330万円 | 10% | 9.75万円 |
| 330万〜695万円 | 20% | 42.75万円 |
| 695万〜900万円 | 23% | 63.6万円 |
| 900万〜1,800万円 | 33% | 153.6万円 |
| 1,800万〜4,000万円 | 40% | 279.6万円 |
| 4,000万円超 | 45% | 479.6万円 |
速算式(最も簡単な計算方法):
所得税 = 課税所得 × 税率 − 税額控除額
さらに、算出された所得税額に対して復興特別所得税(2.1%)が加算されます。
所得税(確定)= 所得税額 × 1.021
各年収の所得税計算:
| 年収 | 課税所得(所得税) | 計算式 | 復興税込み所得税 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約52.2万円 | 52.2万×5%=2.61万 | 約26,600円 |
| 500万円 | 約179.7万円 | 179.6万×5%=8.98万 | 約91,600円 |
| 600万円 | 約243.9万円 | 243.8万×10%−9.75万=14.63万 | 約149,300円 |
| 800万円 | 約426.5万円 | 426.5万×20%−42.75万=42.55万 | 約434,400円 |
| 1,000万円 | 約616.4万円 | 616.4万×20%−42.75万=80.53万 | 約822,200円 |
※ 計算式の欄は、課税所得の千円未満を切り捨てた額(国税通則法118条1項)を使っています。年収500万円は179万6,852円 → 179万6,000円、600万円は243万8,600円 → 243万8,000円となるため、四捨五入で表示した左の「課税所得」欄とは末尾が食い違います。他の3行は切り捨てても表示と同じ額になります。
※ 右端の「復興税込み所得税」は、計算式の結果に復興特別所得税(2.1%)を上乗せし、さらに百円未満を切り捨てた額です。年収500万円なら 89,800円 × 1.021 = 91,685円 で、百円未満を切り捨てて91,600円になります。
ステップ5:住民税の計算
市町村民税分 = 課税所得(住民税)× 6% − 調整控除の市町村民税分 → 100円未満切捨
道府県民税分 = 課税所得(住民税)× 4% − 調整控除の道府県民税分 → 100円未満切捨
住民税 = 市町村民税分 + 道府県民税分 + 均等割・森林環境税(5,000円)
所得割の10%は、市町村民税6%と道府県民税4%の合計です(地方税法314条の3・35条。政令指定都市は8%と2%で合計は同じ)。調整控除も市町村民税分3%・道府県民税分2%に分かれ、人的控除が基礎控除だけなら1,500円と1,000円です。100円未満の切り捨ては2つの税それぞれに当たるため(同20条の4の2第3項・第8項)、合計は「課税所得×10%−調整控除」より100円小さくなることがあります。
住民税の均等割は自治体によって異なりますが、均等割4,000円+森林環境税1,000円=年5,000円が標準です(2023年度までの復興特別税1,000円が森林環境税に置き換わり総額は据え置き)。
調整控除は、所得税と住民税の人的控除の差にもとづく税額控除です(地方税法37条・314条の6)。人的控除が基礎控除だけの人なら、基礎控除の差5万円 × 5%=原則2,500円が所得割から引かれます(⚠️前年の合計所得金額が2,500万円を超える人には調整控除そのものが適用されず0円、住民税の課税所得が5万円未満の人はその課税所得の5%なので2,500円より小さくなります。地方税法314条の6の柱書と第1号)。この差5万円は税源移譲時に定められた固定値で、令和8改正で所得税の基礎控除が上がっても変わりません。配偶者控除・扶養控除があると差が積み上がりますが、調整控除が実際に2,500円より大きくなるのは、控除を引いたあとの住民税の課税所得が200万円前後より低い世帯だけです(下の表の年収500万円以上は、配偶者控除があっても2,500円のままです。→調整控除の計算式)。
下の表は独身・扶養なしのケースで、所得割はすでに調整控除2,500円を引いた後の額です。
各年収の住民税計算:
| 年収 | 課税所得(住民税) | 所得割 | 均等割 | 住民税合計 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約113万円 | 約11.1万円 | 5,000円 | 約12万円 |
| 500万円 | 約241万円 | 約23.8万円 | 5,000円 | 約24万円 |
| 600万円 | 約305万円 | 約30.2万円 | 5,000円 | 約31万円 |
| 800万円 | 約451万円 | 約44.8万円 | 5,000円 | 約45万円 |
| 1,000万円 | 約635万円 | 約63.3万円 | 5,000円 | 約64万円 |
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最終計算:手取り額の確定
年収600万円(独身・40歳未満)の例:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 額面年収 | 約600万円 |
| ▲ 社会保険料 | ▲約88万円 |
| ▲ 所得税(復興税込み) | ▲約15万円 |
| ▲ 住民税 | ▲約31万円 |
| 手取り年収 | 約466万円 |
| 月額換算 | 約38.9万円 |
| 手取り率 | 約77.7% |
各年収の手取りまとめ:
| 年収 | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約45.8万円 | 約2.7万円 | 約12万円 | 約240万円 | 80% |
| 500万円 | 約72.3万円 | 約9.2万円 | 約24万円 | 約394万円 | 79% |
| 600万円 | 約88.1万円 | 約14.9万円 | 約31万円 | 約466万円 | 78% |
| 800万円 | 約116.5万円 | 約43.4万円 | 約45万円 | 約595万円 | 74% |
| 1,000万円 | 約126.6万円 | 約82.2万円 | 約64万円 | 約727万円 | 73% |
ボーナスの計算ロジック
ボーナス(賞与)は月給の計算と異なるロジックが適用されます。
社会保険料(賞与分)
賞与に対しても健康保険・厚生年金・雇用保険がかかります。
賞与の社会保険料 = 賞与額(千円未満切り捨て)× 保険料率
ただし上限があります(厚生年金:1回の賞与につき150万円、健康保険:年間573万円)。
所得税(賞与分):源泉徴収税率
賞与の所得税は「前月の月給(賞与を除く)から導き出した賞与の源泉徴収税率表」に基づきます。
| 前月の社会保険料控除後の給与(扶養0人・令和8年分) | 賞与の金額に乗ずべき率 |
|---|---|
| 82,000円未満 | 0% |
| 82,000〜93,999円 | 2.042% |
| 94,000〜259,999円 | 4.084% |
| 260,000〜308,999円 | 6.126% |
| 309,000〜341,999円 | 8.168% |
| 342,000〜371,999円 | 10.210% |
| 372,000〜401,999円 | 12.252% |
| 402,000〜432,999円 | 14.294% |
| 433,000〜519,999円 | 16.336% |
| 520,000〜604,999円 | 18.378% |
| 605,000〜683,999円 | 20.420% |
賞与の源泉徴収率は、賞与額や倍率ではなく「前月の社会保険料控除後の給与の金額」と「扶養親族等の数」の組み合わせで決まります(国税庁『賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表』)。上の表は扶養0人の場合で、前月の給与水準が高いほど率も上がります。例えば社会保険料控除後の前月給与が30万円(扶養0人)なら6.126%が適用され、賞与の手取り率は約8割が目安です。ただし例外が2つあります(国税庁タックスアンサーNo.2523)。前月に給与がない場合は、賞与(社保控除後)を6等分(賞与の計算期間が半年を超えるときは12等分)した額を月額表に当てはめて税額を求め、それを6倍(12倍)します。賞与(社保控除後)が前月給与(社保控除後)の10倍を超える場合は、賞与の6等分(12等分)額を前月給与(社保控除後)に加算して月額表で税額を求め、前月給与分の税額を差し引いた残りを6倍(12倍)します。
シミュレーターと給与明細の差異が出る理由
計算上の手取りと実際の給与明細に差が出る主な原因です。
| 差異の原因 | 説明 |
|---|---|
| 住民税の天引きタイミング | 住民税は6月〜翌年5月の年度課税のため、年度初めと末の給与で金額が変わる |
| 標準報酬月額の等級 | 4〜6月に支払われた給与の平均で年1回見直される(9月〜翌年8月適用) |
| 年末調整 | 年の途中で源泉徴収した税が年末に精算されるため、12月の給与で調整額が加算・減額される |
| 会社独自の控除 | 財形貯蓄・組合費・積立金等が引かれる場合がある |
| 都道府県・健保組合の差 | 健康保険料率は協会けんぽの都道府県別料率か健保組合の独自料率かで異なる |
| 40〜64歳の介護保険 | 介護保険料が追加される(年収600万で約4.9万円/年) |
各種控除の追加計算
標準ケース以外の控除が加わった場合の計算です。
配偶者控除(所得税38万円・住民税33万円)
配偶者の合計所得が62万円以下(給与収入136万円以下が目安)の場合に、本人の合計所得900万円以下で所得税38万円・住民税33万円が控除されます(令和8年改正で要件が合計所得58万→62万=給与123万→136万に引き上げられました)。
| 年収 | 所得税軽減(限界税率×1.021=復興特別所得税込み) | 住民税軽減(10%+調整控除) | 合計節税額 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 38万×5%×1.021=約19,400円 | 33万×10%=33,000円+調整控除2,500円 | 約54,900円 |
| 500万円 | 38万×5%×1.021=約19,400円 | 33万×10%=33,000円 | 約52,400円 |
| 600万円 | 38万×10%×1.021=約38,800円 | 33万×10%=33,000円 | 約71,800円 |
| 800万円 | 38万×20%×1.021=約77,600円※ | 33万×10%=33,000円 | 約110,600円 |
※年収500万円帯は課税所得が179.7万円(所得税5%帯)で、配偶者控除を引いても5%帯のままのため、所得税の軽減は38万×5%×1.021です。800万円帯は課税所得が20%帯にあり、合計節税額はエンジン実測で約11.1万円です。
※300万円の行だけ住民税側に調整控除が乗ります。配偶者控除が加わると人的控除の差が5万円増え、調整控除が2,500円→5,000円になるためです。この表は独身と比べた値なので、配偶者控除のほかに人的控除がない人の額です。この条件なら上乗せは住民税の課税所得が200万円を超えると段階的に消え、205万円でゼロになるので、500万円以上の行では効きません(年収500万円・配偶者控除ありの住民税の課税所得は約207.7万円)。
⚠️扶養控除など他の人的控除もある人は額も線も変わります(16〜18歳の子1人を扶養している年収500万円の人なら上乗せは5,000円・ゼロになる線は210万円)。自分の額の出し方は調整控除の計算式を参照してください。
iDeCo(掛金全額所得控除)
掛金が課税所得から控除されます。上限は月23,000円(企業年金のない会社員)。
年間掛金27.6万円の場合の節税額(独身で、人的控除が基礎控除だけの場合):
| 年収 | 課税所得の限界税率 | 所得税軽減(復興特別所得税込み) | 住民税軽減(所得割10%分) | 節税合計 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 5% | 約14,100円 | 27,600円 | 約41,700円 |
| 500万円 | 5% | 約14,100円 | 27,500円 | 約41,600円 |
| 600万円 | 10% | 約28,200円 | 27,600円 | 約55,800円 |
| 800万円 | 20% | 約56,400円 | 27,700円 | 約84,100円 |
⚠️所得税も住民税も、軽減額は「掛金 × 税率」ちょうどにはなりません。所得税は課税所得の千円未満切捨(国税通則法118条1項)と所得税額の100円未満切捨が挟まるためです。住民税は所得割を市町村民税6%分と道府県民税4%分に分け、それぞれ100円未満を切り捨てて足すため(地方税法20条の4の2第3項・第8項)で、掛金×10%から100円前後ずれます。上表で同じ掛金27.6万円でも年収500万円が27,500円・800万円が27,700円と分かれるのはこのためです(いずれも掛金あり・なしの税額の差を100円単位で示した値です)。
よくある疑問
Q. シミュレーターの結果が給与明細と数千円〜数万円違う
主な原因は標準報酬月額の等級差・住民税の月割り差・年末調整前後の差です。年間合計で照合すると差が小さくなります。
Q. 所得税は源泉徴収と確定申告でどう違う?
給与から毎月天引きされる所得税は「概算(源泉徴収)」です。年末調整で正確な金額に精算されます。控除の漏れがあれば確定申告で取り戻せます。
Q. 年収が同じでも手取りが人によって違う
扶養人数・住宅ローン控除・iDeCo・生命保険料控除・ふるさと納税などの控除が異なれば、課税所得が変わり税額も変わります。また健保組合の種類や都道府県によって健康保険料率が異なります。
Q. ボーナスが別支給の場合の年収計算は?
年収=月給×12+賞与総額で計算します。シミュレーターでは年収を入力して計算するため、ボーナスを含めた年収合計を入力してください。
まとめ
- 手取りは5ステップで計算:給与所得控除→課税所得→所得税・住民税→社会保険料を差し引く
- 給与所得控除は850万円で上限(195万円)に達し、高年収ほど実効税率が上がる
- 社会保険料は年収の約13〜15%が本人負担(厚生年金は標準報酬月額65万円〔2026年度。2027年9月から68万円〕で上限あり)
- 住民税は課税所得×10%(前年課税のため昇給は翌年度に影響)
- 年末調整で最終精算されるため、年間の手取りは12月時点で確定する
手取り計算シミュレーターで試算する
年収・扶養・各種控除を入力して、手取り額と税負担の内訳を確認できます。実際の給与は会社の制度や自治体で差が出るため、目安としてお使いください。
年収別の手取り(各年収の詳細記事)
各年収帯の手取り・控除の内訳はこちらで詳しく試算できます。
- 年収300万円の手取り
- 年収400万円の手取り
- 年収450万円の手取り
- 年収500万円の手取り
- 年収550万円の手取り
- 年収600万円の手取り
- 年収650万円の手取り
- 年収700万円の手取り
- 年収750万円の手取り
- 年収800万円の手取り
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この記事の根拠(出典)
本記事で使っている税率・控除額・保険料率は、以下の一次情報(2026年9月時点)で確認しています。制度は改正されるため、最新の内容は各リンク先でご確認ください。
- 令和8年分の所得税の基礎控除(合計所得489万円以下104万円/489万円超655万円以下67万円/655万円超62万円)と、給与所得控除の最低保障74万円(給与収入220万円以下):国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(PDF)(1ページ目 ⑴イ の基礎控除額の表と ⑵イ の給与所得控除の表。給与収入への換算665万5,556円・850万円も同じ表にあります)/国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税に適用)
- 給与所得控除の計算式(給与収入360万円・660万円・850万円で式が変わり、850万円超は195万円で頭打ち):国税庁「No.1410 給与所得控除」。同ページ(令和8年4月1日現在法令等)には、令和8年分・令和9年分(220万円まで74万円)と令和7年分(190万円まで65万円)の表が並んでいます(220万円超の式は両方の表で同じです)
- 所得税の速算表(課税所得195万円・330万円・695万円・900万円・1,800万円・4,000万円で区切る5%〜45%の7段と控除額)と、課税所得の1,000円未満切捨て:国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 所得税額に2.1%を上乗せする復興特別所得税(復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%):国税庁「個人の方に係る復興特別所得税のあらまし」。⚠️同ページの課税期間「平成25年から平成49年(令和19年)まで」は改正前の記載で、令和8年法律第12号による延長と分割が反映されていません。改正後の条文は次の2本で読めます。⚠️e-Gov法令検索は版を指定しないと現行版が開き、改正前の「百分の二・一」「令和十九年」が表示されます。下は2027年1月1日施行版を指定したURLです:復興財確法(2027年1月1日施行版)(第13条「基準所得税額に百分の一・一の税率を乗じて計算した金額」=1.1%/第9条第1項「平成二十五年から令和二十九年までの各年分」=課税期間の延長)/防衛特措法(2027年1月1日施行版)(第5条の9「基準所得税額に百分の一の税率」=1.0%/第5条の5第1項「令和九年分以後の各年分…当分の間」)。令和9年分から令和29年分までは1.1%と1.0%に分かれますが、合計2.1%は変わりません
- 健康保険料率9.85%(本人4.925%)・介護保険料率1.62%(本人0.81%)・子ども・子育て支援金率0.23%(本人0.115%)と、標準報酬月額の等級表(健康保険は上限139万円):全国健康保険協会「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)」(PDF)/全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」。⚠️料率は都道府県支部ごとに異なります(令和8年度の全国平均は9.90%)。本記事は東京支部の率で試算しています
- 厚生年金保険料率18.300%(本人負担は折半の9.150%)と、標準報酬月額の上限65万円:日本年金機構「保険料額表(令和2年9月分〜)」/同ページから開ける令和8年度版の保険料額表(PDF)に、等級1の8.8万円から等級32の65万円までと、労使合計18.300%・折半額9.150%の保険料額が載っています
- 雇用保険料率(一般の事業・労働者負担5/1,000=0.5%):厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(PDF)(令和7年度の5.5/1,000から引下げ)
- 住民税の所得割10%(道府県民税4%+市町村民税6%)・均等割4,000円(1,000円+3,000円)と、均等割と併せて徴収される森林環境税(国税)1,000円:総務省「個人住民税」(政令指定都市は道府県民税2%+市民税8%で合計は同じ)
- 住民税の基礎控除43万円(合計所得2,400万円以下の場合。所得税の基礎控除とは額が別で、令和8改正でも43万円に据え置かれています):e-Gov法令検索「地方税法」(第34条第2項第1号〔道府県民税〕・第314条の2第2項第1号〔市町村民税〕。どちらの条も合計所得2,400万円以下を「四十三万円」と定め、2,400万円超は29万円・2,450万円超は15万円・2,500万円超は0円と縮みます)
- ふるさと納税の控除が3本立てであること(①所得税の寄附金控除=総所得金額等の40%が上限/②住民税・基本分10%=同30%が上限/③住民税・特例分=住民税所得割額の20%が上限)と、③が上限に達すると実質負担が2,000円を超えること:総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」/国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
- iDeCoの拠出限度額(企業型確定拠出年金にも他の企業年金にも加入していない会社員は月23,000円=年27.6万円):e-Gov法令検索「確定拠出年金法施行令」(第36条第2号「二万三千円」)。⚠️令和7年の年金制度改正で、2026年12月の拠出分から限度額が引き上げられる予定です
- 賞与の源泉徴収税額が「前月の社会保険料控除後の給与」と扶養親族等の数で決まる算出率の表で計算されること:国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」/国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」15〜16ページ)
- 配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の額と、その所得要件:国税庁「No.1191 配偶者控除」(本人の合計所得900万円以下38万円/900万円超950万円以下26万円/950万円超1,000万円以下13万円)/国税庁「No.1180 扶養控除」(一般38万円・特定扶養63万円)/令和8年分の所得要件(配偶者・扶養親族の合計所得62万円=給与収入136万円)と配偶者特別控除の逓減表は上記「あらまし」の2〜3ページ。住民税側の控除額(配偶者控除・一般扶養は33万円、特定扶養は45万円。配偶者特別控除は配偶者の合計所得100万円=給与収入174万円まで満額33万円が続き、所得税が満額38万円を維持する合計所得95万円=給与収入169万円より1段広い)はe-Gov法令検索「地方税法」第314条の2第1項第10号・第10号の2イ(1)・第11号
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