イーサリアム(ETH)積立シミュレーション:ステーキング込みで月3万円を3年続けるとどうなる?

毎月3万円をイーサリアム(ETH)に積み立てるといくらになる?過去の実価格データでスタート時期別に試算し、ETH独自の「ステーキング報酬(年2〜3%目安)」を上乗せした場合の違い、ビットコイン(BTC)との比較まで数字で解説します。

「毎月3万円をイーサリアム(ETH)に積み立てていたら、今いくらになっているのか」——ビットコイン(BTC)と並んで積立先に選ばれることの多いETHですが、その結果は始めた時期によって大きく変わります。

この記事では、過去の実価格データを使った具体的な試算結果に絞って、ETHの積立シミュレーションを解説します。さらにETH独自の特徴である**ステーキング報酬(保有するETHを預け入れる「ステーキング」をすると報酬が得られる仕組み)**を上乗せした場合の違いも数字で示します。

ドルコスト平均法(DCA)の仕組みそのものは「ドルコスト平均法で積立投資する方法」で、BTCを軸にした同種の試算は「ビットコイン・ETH積立シミュレーション」で詳しく解説しています。本記事はETHに特化し、ステーキングを含めた視点を加えた内容です。



1. 計算の前提:使用するETH価格データ

本記事では以下のETH価格を基準(いずれも各時点のおおよその水準)として使用します。実際の取引価格はタイミングによって異なります。

イーサリアム(ETH)の価格推移

時点ETH価格(目安)
2019年1月約1.5万円/ETH
2021年1月約13万円/ETH
2022年1月約42万円/ETH
2023年1月約20万円/ETH
2024年1月約33万円/ETH
2026年1月約40万円/ETH
2026年6月(参考)約26万円/ETH

2. スタートタイミングで結果はどう変わるか:毎月3万円×3年

「同じ毎月3万円・3年積立」でも、開始時期によってETHの結果は大きく変わります。3つのスタートパターンで比較します。

共通条件:毎月3万円×36ヶ月 = 投資総額108万円

ケース①:2019年1月スタート(ETH約1.5万円時)→ 2022年1月評価

2019年はETHが1.5万円前後の低水準でした。その後2020年からのDeFiブームと2021年の強気相場で大きく上昇し、2022年1月時点では約42万円。ETHが1.5万円前後と極めて安かった2019〜2020年に毎月3万円で大量のETHを取得できたため、積立期間の平均取得単価は約3.2万円/ETH前後(数量加重)と非常に低くなります。

試算結果(2022年1月評価時点)

  • 投資総額:108万円
  • 取得ETH数(概算):約34 ETH
  • 評価額(2022年1月・ETH42万円時):約1,420万円
  • 損益率:約+1,200%

2019年スタートは、ETHが史上最安値圏だった時期に大量取得できたうえ、強気相場の大部分を経験できたため、極端に高いリターンになりました。ただしこれは「史上最安値の翌月に始められた」という極めて稀な結果論であり、再現性は期待できません。 同じ条件を将来狙って選べるわけではない点に強く注意してください。


ケース②:2021年1月スタート(ETH約13万円時)→ 2024年1月評価

2021年は既に上昇局面の最中で、13万円からスタート。同年11月に約55万円の最高値を記録したものの、2022年は市場全体の悪材料で12万円前後まで下落。2023年に回復し、2024年1月には約33万円でした。積立期間の平均取得単価は、高値圏・暴落・回復の3局面を経由するため、約24.5万円/ETH前後と推定されます。

試算結果(2024年1月評価時点)

  • 投資総額:108万円
  • 取得ETH数(概算):約4.4 ETH
  • 評価額(2024年1月・ETH33万円時):約147万円
  • 損益率:約+36%

2021年スタートは途中で-70%超の下落を経験するケースです。暴落中も積立を続けられた場合は、最終的に小幅なプラスで評価を迎えられた計算になります。逆に損失に耐えられず途中でやめた場合は、回復の恩恵を受けにくくなります。


ケース③:2023年1月スタート(ETH約20万円時)→ 2026年1月評価

2023年は「仮想通貨の冬」明けで、ETH約20万円の水準からスタート。2024年以降の市場回復を経て、2026年1月には約40万円まで上昇しました。積立期間の平均取得単価は、2023〜2025年(2025年は40〜60万円台の高値も含む)にわたるため、約35万円/ETH前後と推定されます。

試算結果(2026年1月評価時点)

  • 投資総額:108万円
  • 取得ETH数(概算):約3.1 ETH
  • 評価額(2026年1月・ETH40万円時):約123万円
  • 損益率:約+14%

3ケースの比較まとめ

スタート時期ETH価格評価時期投資総額概算評価額損益率
2019年1月約1.5万円2022年1月108万円約1,420万円約+1,200%
2021年1月約13万円2024年1月108万円約147万円約+36%
2023年1月約20万円2026年1月108万円約123万円約+14%

同じ積立条件でも、スタートタイミングによって評価額が大きく変わることがわかります(最安値圏スタートのケース①と、高値も含むケース③では評価額が10倍近く違います)。一方で、3ケースいずれも3年後の評価ではプラスを維持しました。ただし、ここで取り上げた3つの開始時期はいずれも、その後に価格が回復・上昇した期間にあたります。ここで示した3ケースはいずれもプラスですが、それは結果的に価格が回復・上昇した期間を取り上げたためです。たとえば2021年11月のような高値圏(約55万円)から積み立てた場合は、3年後でも損益がわずか、または元本割れになるケースもありえます。ETHはBTCと比べて値動きが大きい傾向があり、「いつ始めたか」「続けられたか」の影響がより大きく出やすい点が読み取れます。


3. ETHならではの視点:ステーキング報酬を上乗せするとどうなる?

ここがBTC積立との大きな違いです。ETHは保有しているETHをステーキング(ネットワークの維持に預け入れること)すると、報酬を受け取れる仕組みがあります。BTCにはこの仕組みがありません。

2026年時点で、ETHのステーキング利回りはおおむね年2〜3%程度(リキッドステーキングでは手数料控除後の目安。ソロステーキングでは3〜4%程度)が一つの目安です。利回りはネットワークの状況により変動します。

積立しながらステーキングした場合の上乗せイメージ

ケース③(2023年1月〜2026年1月・最終約3.1 ETH)で、積み立てたETHを順次ステーキングしていた場合の報酬を概算します。積立期間中は保有量が徐々に増えるため、3年間の平均保有量を「最終量の約半分(約1.55 ETH)」と仮定し、年2.5%で見積もります。

項目概算値
3年間の平均保有量(仮定)約1.55 ETH
想定ステーキング利回り年2.5%(目安)
3年間の報酬合計(概算)約0.12 ETH
ETH40万円換算約5万円

価格上昇による評価益(約+15万円)と比べても、3年・少額ではステーキング報酬の絶対額は小さめです。ただし、ステーキング報酬はETH建てで枚数が増えるため、長期・大口になるほど効いてきます(受け取ったETHを再びステーキングすれば複利的にも働きます)。価格そのものとは別に「保有枚数が増える」もう一つの経路を持てる点がETHの特徴です(ただし報酬の円換算額はETH価格に左右されます)。

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4. 税金の注意点:価格の利益とステーキング報酬で扱いが異なる

ETHの積立とステーキングには、それぞれ税金が関わります。一般に、日本では次のように扱われます(目安)。

  • 売却益:積み立てたETHを売却・他の暗号資産への交換・商品やサービスの決済に使った際、取得価額と時価の差が**雑所得(総合課税)**として課税されます。取得価額は原則「総平均法」(年間の取得総額÷取得総量)で計算し、毎月異なる価格で購入するため、年間を通じた取引履歴の記録・保管が必要です。
  • ステーキング報酬:一般に、報酬を受け取った時点の時価が雑所得として課税される扱いとされています。受け取り時と、その後売却した時の二段階で課税対象になり得る点に注意が必要です。

暗号資産は雑所得として最大55%の総合課税が適用される場合があります。現行(2026年分)は、暗号資産の損失を給与など他の所得と損益通算することも、翌年へ繰り越すこともできません。なお、令和8年度税制改正大綱で特定暗号資産は申告分離課税20.315%・損失の3年繰越への移行方針が決定しました(早ければ2028年分から・施行時期は未確定で、海外取引所やDEXは対象外となる可能性があります)。ただし分離課税の対象は「譲渡(売却)」が中心とされ、ステーキング報酬など譲渡以外の収入は改正後も総合課税のままになる可能性が高い点に注意が必要です(取り扱いは未確定)。2026年分は現行どおり総合課税(最大55%)です。最新の取り扱いは国税庁の情報や専門家にご確認ください。基礎は「暗号資産の税金基礎知識」で解説しています。


5. ETH vs BTC:同条件で積み立てるとどう違うか

同じ2023年1月〜2026年1月の3年間で、毎月3万円ずつ積み立てた場合を比較します(いずれも概算)。

銘柄月額投資総額取得数量(概算)評価額(目安)損益率
BTC月3万円108万円約0.154 BTC約216万円約+100%
ETH月3万円108万円約3.1 ETH約123万円約+14%

この期間ではBTCの方が高いリターンになりましたが、特定の期間の結果だけで両者を断定的に比較することは適切ではありません。ETHはスマートコントラクト基盤として独自の用途を持ち、前述のステーキング報酬という価格以外の収益源もあります。

両者は「どちらか一択」ではなく、役割の異なる資産として組み合わせる考え方もあります。BTCをコアに据えつつETHを補完的に持つ「BTC70%・ETH30%」のような分散も選択肢のひとつです。詳しくは「暗号資産ポートフォリオの作り方」を参照してください。


6. シミュレーションを実際の積立に活かすポイント

「いくらから」より「続けられるか」

ETHは値動きが大きいぶん、途中でやめてしまうリスクも高くなります。2021年スタートのケースのように、暴落中に積立を止めると回復の恩恵を受けにくくなります。目安として月収の5〜10%以内で、暴落時にも継続できる金額に設定することが重要です。

ステーキングは「余裕資金の範囲」で

ステーキングはロック期間中に自由に動かせない場合があります。当面使う予定のない長期保有分に限って活用するのが無難です。利回りの高さだけで選ばず、サービスの信頼性とリスクを確認しましょう。

評価額を毎日見ない

DCAの仕組み上、短期的には含み損になる時期が必ずあります。毎日評価額を確認する習慣は途中解約につながりやすいため、月1回程度の確認に留めるのが長期継続のコツです。


まとめ

本記事では、過去の実価格データを元にしたイーサリアム(ETH)積立シミュレーションと、ステーキングを上乗せした場合の違いを数字で示しました。

  • スタートタイミングで結果は大きく変わる:2019年・2021年・2023年スタートの3ケースで損益率+14%〜+1,200%という極端な幅が出た(2019年は史上最安値圏という稀な好例)
  • ETHはBTCより値動きが大きい傾向:同期間の比較ではBTCが高リターンだったが、断定はできない
  • ETH独自のステーキング報酬(年2〜3%目安):少額・短期では絶対額は小さいが、ETH建てで保有量が増えるため長期・大口ほど効く
  • 税金は2段階:売却益とステーキング報酬で扱いが異なり、いずれも雑所得(総合課税)になり得る
  • 継続できる金額設定が最重要:途中でやめると暴落時に仕込んだ分の恩恵を受けにくい

積立シミュレーターで実際に条件を変えて試算すると、「自分がいくら積み立てるべきか」のイメージがより具体的になります。

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この記事の根拠(出典)


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