マイカーローン返済シミュレーション:銀行系vsディーラーローン金利比較

金利2%台の銀行ローンと、金利4〜8%のディーラーローン。総支払額にどれだけの差が出る?残価設定ローンとの比較もシミュレーション。

「月々5万円なら払える」——この感覚でローンを選ぶと、数十万円の損をすることがあります。

ディーラーのセールストークは月々の返済額を前面に出しますが、重要なのは「5年間で総額いくら払うか」です。金利2%と6%では、300万円の借入で利息差が約32万円。この差を事前に把握して動く人と、気づかずサインしてしまう人では、同じ車に乗っていても支払額が大きく変わります。


1. 「月々の返済額」が本当の比較にならない理由

金利が高くても返済期間を延ばせば月々の支払額は安くなります。ディーラーは「月々X万円でご案内できます」と月次金額を強調しますが、これは「返済回数を増やした可能性がある」「残価設定で見かけ上安くしている可能性がある」という背景があります。

月々同額でも総支払額が違う例(借入300万円):

ローン金利返済期間月返済額総支払額利息
銀行系2.0%5年約52,600円約315.5万円約15.5万円
ディーラー4.0%5年約55,200円約331.5万円約31.5万円
ディーラー6.0%5年約58,000円約347.9万円約47.9万円
ディーラー6.0%7年約43,800円約368万円約68万円

月々の返済額が最も安い「金利6%・7年」は、月々の差は小さくても5年・2%に比べて利息差が約52.5万円です。


2. 2026年の金利相場と3種類のローン

ローン別金利相場(2026年時点)

ローン種類金利目安所有権手続きの手間
銀行系マイカーローン(ネット)年1.5〜2.5%自分やや面倒(書類提出)
銀行系マイカーローン(窓口・地銀)年1.8〜3.5%自分来店が必要
ディーラーローン(通常)年4.0〜8.0%信販会社簡単(即日〜数日)
ディーラーローン(キャンペーン)年0.9〜2.9%信販会社簡単(対象車種限定)
残価設定型クレジット年3.9〜5.9%信販会社簡単

日銀の利上げにより変動金利の銀行系ローンも上昇傾向にありますが、それでもディーラーローン通常金利(4〜8%)との差は大きいです。


3. 借入額別・金利別の総支払額シミュレーション(5年返済)

200万円借入の場合

金利月返済額総支払額利息
年2.0%約35,100円約210.4万円約10.4万円
年4.0%約36,800円約220.9万円約20.9万円
年6.0%約38,700円約232万円約32万円
年8.0%約40,600円約243.5万円約43.5万円

300万円借入の場合

金利月返済額総支払額利息
年2.0%約52,600円約315.5万円約15.5万円
年4.0%約55,200円約331.5万円約31.5万円
年6.0%約58,000円約347.9万円約47.9万円
年8.0%約60,900円約365.4万円約65.4万円

400万円借入の場合

金利月返済額総支払額利息
年2.0%約70,100円約420.6万円約20.6万円
年4.0%約73,700円約442万円約42万円
年6.0%約77,300円約463.7万円約63.7万円
年8.0%約81,100円約486.6万円約86.6万円

4. 返済期間の選択:3年・5年・7年の違い

返済期間を長くすれば月々の負担は減りますが、利息総額は増えます。

300万円・年4%での返済期間比較:

返済期間月返済額総支払額利息月々の差(5年比較)
3年(36回)約88,600円約319万円約19万円+33,400円/月
5年(60回)約55,200円約331.5万円約31.5万円基準
7年(84回)約41,000円約344.5万円約44.5万円-14,200円/月

月々の負担を抑えるために7年にすると、5年より利息が約13万円多くなります。

頭金の効果

頭金を増やすことで借入元本が減り、利息総額と月返済額の両方が下がります。

300万円の車・年4%・5年の場合(頭金別):

頭金借入額月返済額利息総額
0円(フルローン)300万円約55,200円約31.5万円
50万円250万円約46,000円約26万円
100万円200万円約36,800円約20.9万円
150万円150万円約27,600円約15.7万円

頭金50万円を入れるだけで月返済額が約9,200円減り、利息総額も約5.3万円減ります。


5. 残価設定クレジットの全コスト計算

残価設定クレジット(残クレ)は「月々の負担が軽い」印象ですが、5年後の選択肢によって総コストが大きく変わります。

例:300万円の車・残価100万円・金利4.5%・5年

月々の分割対象は200万円(300万円-残価100万円)ですが、残価100万円部分も立て替えられており、金利は300万円全体に対してかかります。

5年後の選択肢追加支払い総支払額(概算)
車を返却(乗り換え)条件を満たせばゼロ約246万円(+残価精算リスク)
残価を一括払い100万円約346万円+
残価を再ローン(5年)月々約2万円追加約359万円以上
車を返却+走行距離超過精算超過分の追加金上記+精算金

残価設定の「残価保証」に関する条件

条件内容
走行距離月1,000〜1,500km以内(超過は1kmあたり数円〜十数円の追加費用)
外装・内装一定以上の傷・凹みは減額(追加精算金が発生)
修復歴事故車は残価保証額から大幅減額
改造純正状態に戻す必要あり
年数最終回時に査定→残価を下回れば差額を支払い

月1,000kmの制限は年間12,000km。通勤で月2,000km走る人は制限を超えてしまいます。


6. 銀行ローン事前審査→ディーラー交渉戦略

事前審査を取得してから商談へ

車を決める前に、ネット銀行や地銀のマイカーローンに仮審査(無料)を申し込みます。「金利2%で300万円の審査通過」という書類を持ってディーラーに行くことで、交渉の立場が大きく変わります。

交渉の例: 「ネット銀行で年2%の事前審査が通っています。御社のローンで同等の条件は出していただけますか?難しければ、銀行経由での決済にしようと思っています。」

ディーラーはローン手数料収入を重視しているため、顧客を他に逃がしたくない動機があります。キャンペーン金利の適用や、一部の諸費用を値引きするなどの対応をしてくるケースがあります。

銀行ローンが有利な状況

状況判断
銀行の仮審査が通った銀行ローンを基本にしてディーラーと交渉
ディーラーのキャンペーン金利が2%以下手続きの利便性でディーラーも選択肢
審査が心配ディーラーローン(審査が緩め)を使いつつ繰り上げ返済
3年ごとに乗り換える予定残クレも比較対象(条件が合えば)

7. 利息の機会コスト:払わなかった利息で何ができるか

ディーラーローン(6%)vs 銀行ローン(2%)の利息差約32万円(300万円・5年の場合)は、投資視点で考えると意味が変わります。

32万円を年利5%のインデックスファンドに投資した場合(30年後):

  • 30年後の資産:約138万円(年5%で運用できた場合の試算。実際のリターンは変動します)

「ローン金利の差額」を投資に回すことで、長期的には100万円以上の差が生まれます。これがFIRE志向の人が「ローン金利にこだわる」理由です。


よくある質問

Q. 銀行ローンとディーラーローン、審査が通りやすいのはどちらですか?

ディーラーローン(信販系)の方が審査が緩い傾向があります。銀行系は年収・勤続年数・信用情報の基準が厳しいため、転職直後や収入が不安定な場合はディーラーローンしか通らないこともあります。ただし金利差が大きいため、まず銀行で仮審査を受けてから判断することが推奨されます。

Q. 残クレの途中解約はできますか?

残クレの途中解約は基本的に「残価を含む残債の一括返済」が必要です。まとまった現金を準備できない場合、乗り換えたくても動けない状況になります。残クレを選ぶ場合は「5年後も乗り換えか返却を前提にできるか」を事前に確認することが重要です。

Q. 繰り上げ返済はできますか?

銀行ローンは一般的に繰り上げ返済が可能で、利息を節約できます。ディーラーローン(信販系)は繰り上げ返済できない商品や、繰り上げ時に手数料が発生するケースがあります。契約前に繰り上げ返済の条件を確認しておくことが重要です。


まとめ

マイカーローンの選択は「どこで組むか」が最終的に数十万円の差を生みます。

  • 金利2%と6%の差は300万円・5年で約32万円:月々は5,400円の差でも5年累計は大きい
  • 返済期間を延ばすほど利息が増える:月々を安くするために7年にすると利息が増える
  • 残クレは乗り換え前提でなければ割高になりやすい:総コストで通常ローンを上回ることが多い
  • 銀行ローンの事前審査がカードになる:仮審査通過証を持ってディーラーに行く
  • 頭金は利息削減効果がある:50万円の頭金で月々9,200円減・利息5.3万円節約

「月々いくら?」ではなく「5年間の総支払額はいくらか?」を最初に確認することが、賢いカーローン選びの出発点です。


マイカーローン金利・総額比較

借入希望額と返済年数を入力して、主要銀行ローンとディーラーローンの支払総額差をシミュレーション。


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