独身と既婚で手取りはどれだけ違う?控除と社保から差額を分解
同じ年収でも独身と既婚で手取りが変わる理由を、配偶者控除・扶養控除・社会保険の仕組みから解説。年収帯別の差額比較、136万・130万・169万の壁まで網羅します。
執筆:しぐ ・ 更新日: 2026-09-30
「結婚したら手取りは増えるの?」
よく聞く疑問ですが、答えは単純ではありません。 配偶者の収入状況、子どもの有無、控除の適用条件―― 前提が1つ変わるだけで、結論が真逆になるテーマだからです。
ただし、仕組みはシンプルです。
この記事では、
- 独身と既婚でどこに差が出るのか
- 差額はいくらか(年収帯別)
- 配偶者控除・扶養控除の具体的な効果
- 社会保険で見落としやすいポイント
- 136万・130万・169万の壁の意味
- 「結婚したら得」は本当か
を、控除と社保の構造から分解します。
結論:独身と既婚の手取り差
同じ年収なら、配偶者控除が使える既婚者の方が年間約5万〜9万円手取りが多いです(年収750万〜1,095万円では約11万円。それより上は配偶者控除が段階的に減り、約1,195万円超はゼロになります)。ただし配偶者の年収が169万円を超えると、この差は段階的に縮小します(縮み始めるのは所得税分だけで、住民税分が縮み始めるのは174万円からです)。
差額の大きさは、本人の年収(=税率帯)と配偶者の年収(=控除額の大小)で決まります。
先に年収帯ごとの差額を一覧にします。
| 本人の年収 | 独身の手取り | 既婚(配偶者控除あり)の手取り | 年間差額 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約240万円 | 約245万円 | +約5.5万円 |
| 400万円 | 約317万円 | 約322万円 | +約5.5万円 |
| 500万円 | 約394万円 | 約399万円 | +約5.2万円 |
| 600万円 | 約466万円 | 約473万円 | +約7.2万円 |
| 700万円 | 約531万円 | 約540万円 | +約9.1万円 |
※ 配偶者の年収136万円以下(配偶者控除が満額適用=所得税38万円・住民税33万円)を想定。手取りの2列は万円未満を四捨五入しているため、列どうしを引いた値と差額列は端数分ずれます(差額列は端数まで計算した値)。
年収が高いほど差額が大きくなるのは、同じ控除38万円でも税率が違うからです。
1. 差が出る場所は「税金」だけ
まず大前提を整理します。
独身と既婚で変わるもの・変わらないもの:
| 項目 | 変わる? | 理由 |
|---|---|---|
| 社会保険料 | 変わらない | 本人の報酬で決まる。配偶者の有無は無関係 |
| 所得税 | 変わる | 配偶者控除・扶養控除で課税所得が下がる |
| 住民税 | 変わる | 所得税と同じ控除が適用される |
社会保険料は本人の月額報酬(標準報酬月額)だけで決まります。 結婚しても離婚しても、同じ年収なら社保は同額です。
つまり、独身と既婚の手取り差は「税金の差」だけで構成されています。
2. 配偶者控除の仕組み
独身と既婚の手取り差を生む最大の要因が配偶者控除です。
適用条件
- 配偶者の年間合計所得が62万円以下(給与収入なら136万円以下)
- 本人の合計所得が900万円以下(年収約1,095万円以下)で満額38万円(900万円超は26万円→13万円と逓減し、合計所得1,000万円超=年収約1,195万円超で適用なし)
- 生計を一にしている
条件を満たすと、本人の課税所得から38万円が差し引かれます。
控除額の計算
配偶者控除(所得税38万円・住民税33万円)が課税所得を下げる → 税金がその分安くなる。
たとえば年収500万円(課税所得約179.7万円、税率5%帯)の場合:
- 所得税の軽減:38万円 × 5% = 約1.9万円(復興特別所得税2.1%を含めて約1.9万円)
- 住民税の軽減:33万円 × 10% = 約3.3万円
- 合計:約5.2万円/年
3. 年収帯別の具体的な差額
税率帯によって、同じ38万円の控除でも効果が変わります。
| 本人の年収 | 課税所得の帯 | 所得税率 | 所得税軽減 | 住民税軽減 | 調整控除の増加 | 合計軽減 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 〜195万円 | 5% | 1.9万円 | 3.3万円 | 2,500円 | 約5.5万円 |
| 400万円 | 〜195万円 | 5% | 1.9万円 | 3.3万円 | 2,500円 | 約5.5万円 |
| 500万円 | 〜195万円 | 5% | 1.9万円 | 3.3万円 | 0円 | 約5.2万円 |
| 600万円 | 195万〜330万円 | 10% | 3.9万円 | 3.3万円 | 0円 | 約7.2万円 |
| 700万円 | 330万〜695万円 | 20% | 5.8万円 | 3.3万円 | 0円 | 約9.1万円 |
※年収700万円の所得税軽減が「38万円×20%×1.021=約7.8万円」より小さいのは、控除によって課税所得が約349万円→311万円と20%帯の下限(330万円)を下回り、境界をまたいだ分が10%で効くためです(5.8万円は計算エンジンの実測値)。
※「調整控除の増加」は住民税の税額控除(地方税法37条・314条の6)です。上の表は独身と比べているので、配偶者控除のほかに人的控除がない人の値です(この条件なら、住民税の課税所得が200万円以下で2,500円・205万円でゼロ。年収500万円は配偶者控除を引いても約207.7万円あるため0円)。
⚠️扶養控除など他の人的控除がある人は、この列の値が変わります=たとえば16〜18歳の子1人を扶養している年収500万円の人は、配偶者控除で調整控除が5,000円増え、ゼロになる線も205万円ではなく210万円です。自分の額は調整控除の計算式に配偶者控除がある場合と無い場合の2通りを当てて差を取ると出せます。
年収700万帯では控除の価値が年収300万帯の約1.7倍になります。
これは累進課税の構造上そうなります。 「高年収ほど結婚で得する」のではなく、「高年収ほど控除の税軽減効果が大きい」のが正確な表現です。
4. 配偶者「特別」控除:136万〜207万の段階的な壁
配偶者の年収が136万円を超えても、すぐに控除がゼロになるわけではありません。 配偶者特別控除として、所得税は169万円まで・住民税は174万円まで満額が維持されます。
| 配偶者の年収 | 控除額(所得税) | 控除額(住民税) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 〜136万円 | 38万円 | 33万円 | 配偶者控除(満額) |
| 136万〜169万円 | 38万円 | 33万円 | 配偶者特別控除(どちらも満額維持) |
| 169万〜174万円 | 36万円 | 33万円 | 所得税だけが減り始める |
| 174万円超 | 段階的に縮小 | 段階的に縮小 | ここから住民税も減り始める |
| 約207万円超 | 0円 | 0円 | 控除なし=独身と同じ |
つまり、配偶者の年収が169万円までは所得税・住民税とも控除効果が変わりません。 169万円を超えると所得税だけが縮み始め、住民税が縮み始めるのは174万円からです。どちらも約207万円で完全にゼロになります。
5. 「136万の壁」「130万の壁」「169万の壁」の違い
「壁」と呼ばれるラインが複数あり、混乱しやすいポイントです。 それぞれの意味を整理します。
| 壁 | 何が起きるか | 影響を受ける人 |
|---|---|---|
| 136万円 | 配偶者控除から配偶者特別控除に切り替わるライン(稼ぎ手の控除額は所得税169万円・住民税174万円まで満額のまま)。令和7の「123万の壁」が令和8改正で上昇 | 稼ぎ手側 |
| 106万円(2026年10月1日に撤廃) | 2026年9月30日までは、勤務先の社会保険への加入義務が生じる年収の目安。2026年10月1日からは賃金要件がなくなり、年収に関係なく原則として週20時間以上などで加入 | 配偶者本人(従業員51人以上の企業で週20時間以上勤務等) |
| 130万円 | 第3号被保険者から外れ、自分で社保に加入 | 配偶者本人 |
| 169万円 | 配偶者特別控除のうち所得税分が縮小開始(稼ぎ手側)。なお配偶者本人に所得税がかかり始めるのは年収178万円から(令和8年分は基礎控除104万円+給与所得控除74万円) | 配偶者本人・稼ぎ手側 |
| 174万円 | 配偶者特別控除のうち住民税分が縮小開始(稼ぎ手側)。169万円までとの違いは所得税分だけなので、ここまでは稼ぎ手の住民税もふるさと納税の上限も変わらない | 稼ぎ手側 |
| 207万円 | 配偶者特別控除がゼロになる | 本人(稼ぎ手側) |
130万の壁を数字で見る
配偶者のパート年収が129万円 → 131万円に増えて、勤務先の社会保険に加入した場合の試算です(賞与なし。129万円のときは扶養内で、雇用保険料もかかっていない場合)。
| 項目 | 40歳未満 | 40〜59歳 |
|---|---|---|
| 収入の増加 | +20,000円 | +20,000円 |
| 新たにかかる社会保険料 | −193,858円 | −204,550円 |
| 住民税の減少(社会保険料が差し引かれ、所得割がかからなくなる) | +9,500円 | +9,500円 |
| 手取りの変化 | −164,358円 | −175,050円 |
| 手取り(129万円 → 131万円) | 1,275,500円 → 1,111,142円 | 1,275,500円 → 1,100,450円 |
つまり、収入を2万円増やしただけで世帯の手取りが約16万円(40〜59歳は約18万円)減る。 これが「壁」と呼ばれる理由です。
実際に年収130万円・扶養内のときの手取りに戻るのは、勤務先の社会保険に加入できるなら年収152.2万円(40〜59歳は153.5万円)からです。加入できず国民健康保険+国民年金になる場合は164.2万円(20〜39歳。40〜59歳は167.8万円)まで上がります(その年収で働き続け、雇用保険には入っていない場合。扶養内のときから雇用保険料を払っていた場合は、比べる手取りも雇用保険料を引いた額(1,278,800円)にして164.4万円、40〜59歳は168.0万円)。比べる相手は上の表の129万円でなく、年収130万円で扶養内のままだったと置いた手取り(1,284,500円)です(扶養の基準は130万円未満なので、扶養内で働ける上限の目安として130万円で計算しています)。損益分岐の年収は、その年収で実際に追いついている値にするため、千円未満を切り上げて示しています(1,521,957円→152.2万円)。
国保は、東京23区の令和8年度の料率(千代田区など20区の基準)で、前年も同じ給与収入(令和7年分の所得=給与収入−65万円)・世帯の均等割の軽減なし・1年間加入した場合の試算です。国保の額は自治体で変わり、年収131万円の同じ条件で、国保の部分は東京23区の中では約9.1万〜9.3万円(40〜64歳は約11.5万〜11.6万円)、川崎市では約8.7万円(同約10.9万円)です。国民年金の保険料を納めるのは20歳以上60歳未満の人なので、国民年金を含む値は20〜59歳の場合です。60歳以上(または障害者)の配偶者は、社会保険の扶養に入れる年収の基準が180万円未満なので、この130万の壁は当てはまりません(40〜59歳と書いた値は、そのためです)。
独身・既婚で手取りを比較する
年収と配偶者控除の有無を入力して、手取りの差を具体的に確認できます。
6. 社会保険:第3号被保険者の「見えない恩恵」
本人の社保は独身でも既婚でも変わりません。 しかし世帯全体で見ると、社保の差は大きいです。
第3号被保険者とは
配偶者が20歳以上60歳未満で、年収が原則130万円未満(障害者は180万円未満)の場合(配偶者自身が勤務先の厚生年金に加入している場合を除く)、 配偶者は第3号被保険者として国民年金に加入できます。
- 保険料の本人負担:0円
- 老齢基礎年金の受給権:あり
つまり、保険料を払わずに年金がもらえるという制度です。
独身だと同じ保障を得るのにいくらかかるか
独身(または共働きで第3号に入れない配偶者)が国民年金に加入する場合:
- 国民年金保険料:約17,920円/月(2026年度=令和8年度)
- 年間:約21.5万円
これが「タダ」になるのが第3号被保険者の恩恵です。
7. 扶養控除(子どもがいる場合)
独身 vs 既婚の比較では、子どもの有無も手取りに影響します。
扶養控除の額
| 子どもの年齢 | 控除額(所得税) | 控除額(住民税) |
|---|---|---|
| 16歳未満 | 0円(控除なし) | 0円 |
| 16〜18歳 | 38万円 | 33万円 |
| 19〜22歳 | 63万円(特定扶養) | 45万円 |
| 23歳以上 | 38万円 | 33万円 |
16歳未満は扶養控除がありません。 かわりに児童手当が支給されます(所得制限あり)。
子ども1人(16〜18歳)の場合の手取り差
年収500万円(5%帯)で16歳の子が1人いる場合:
- 所得税軽減:38万円 × 5% × 1.021(復興特別所得税込み)= 約1.9万円
- 住民税軽減:33万円 × 10% = 3.3万円
- 合計:約5.2万円/年
配偶者控除(約5.2万円)と合わせると、年間約11.0万円の差になります。単純な合計(約10.5万円)を上回るのは、控除が2件になると住民税の課税所得が約174.7万円まで下がり、住民税の調整控除が2,500円→7,500円に増えるためです。
年収700万帯であれば:
- 配偶者控除の効果:約9.1万円(所得税5.8万円+住民税3.3万円)
- 扶養控除の効果:約7.2万円(配偶者控除の適用で課税所得が10%帯に下がった後に効くため、所得税3.9万円+住民税3.3万円)
- 合計:約16.3万円/年の差
8. 全体比較:独身 vs 既婚(配偶者+子1人)年収500万
| 項目 | 独身 | 既婚(配偶者控除+扶養控除1人) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 年収 | 500万円 | 500万円 | 同じ |
| 社会保険料 | 約72.3万円 | 約72.3万円 | 0円 |
| 所得税 | 約9.2万円 | 約5.3万円 | −約3.9万円 |
| 住民税 | 約24万円 | 約17万円 | −約7万円 |
| 手取り | 約394万円 | 約405万円 | +約11万円 |
社会保険料はまったく同じ。差は税金だけで構成されています。
さらに配偶者が第3号に入っている場合:
- 世帯で節約できる年金保険料:約21.5万円/年
- 世帯ベースの実質差額:年間約32万円
9. 「結婚したら得」とは限らないケース
ここまでは配偶者控除が使えるケースを見てきました。 しかし、以下のケースでは差がゼロまたはマイナスになります。
ケース1:共働きで配偶者の年収が207万円超
配偶者特別控除もゼロ。税金上の差はなくなります。 ただしこの場合、世帯収入そのものが大幅に増えるため、手取り総額は増加します。
ケース2:配偶者が130万〜169万円のゾーン
社保の壁を超えて配偶者本人の社保負担が発生。 配偶者特別控除は満額38万円あるものの、世帯としては手取りが減る可能性があります。
ケース3:本人の年収が1,195万円超
配偶者控除の適用対象外になります(合計所得1,000万円超は適用なし)。 高年収帯では控除によるメリットがゼロです。
10. よくある誤解
「結婚したら税金が半分になる?」
なりません。配偶者控除の効果は年間5〜10万円程度です。 「半分」のイメージは、アメリカの夫婦合算申告(Joint Filing)と混同しているケースが多いですが、日本にこの制度はありません。
「扶養に入れたら社保がタダになる?」
本人の社保は変わりません。「タダになる」のは配偶者側の年金保険料(第3号被保険者分)です。 健康保険は本人の被扶養者として加入でき、追加保険料なしで保障されます。
「パートは136万に抑えるべき?」
必ずしもそうではありません。136万→169万までは配偶者特別控除が所得税・住民税とも満額のままで、住民税分は174万円まで満額が続きます(令和8改正で満額維持ラインが123万→136万、縮小開始が所得税160万→169万・住民税165万→174万へ上昇)。 最も注意すべきは130万の壁(社保加入)で、年収が130万円以上になると世帯手取りが大きく下がります。
「独身は損している?」
税制上は一定の差がありますが、独身は配偶者控除がない分だけ課税所得が高く、ふるさと納税の上限額が高くなりやすいという側面もあります。 控除を積極的に活用すれば、差は縮まります。
11. 控除を最大化するチェックリスト
既婚者が手取りを最大化するために確認すべきポイントです。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 配偶者控除の申告 | 年末調整で「配偶者控除等申告書」を提出しているか |
| 配偶者の年収把握 | 169万を超えそうか。超える場合は段階表を確認 |
| 130万の壁の確認 | 配偶者が第3号被保険者から外れないか |
| 扶養控除の適用 | 16歳以上の子ども・親の扶養控除を申告しているか |
| iDeCo | 配偶者控除に加えてiDeCoの所得控除を併用 |
| ふるさと納税 | 配偶者控除で課税所得が下がる分、上限額も変わる |
まとめ
条件で金額は大きく変わる
| 変動要因 | 影響 |
|---|---|
| 配偶者の年収 | 136万以下で満額。130万以上で社保負担発生。約207万超で控除ゼロ |
| 本人の年収帯 | 税率5%帯なら年5万、20%帯なら年10万の差 |
| 子どもの年齢 | 16歳以上で扶養控除。19〜22歳なら特定扶養で効果大 |
| 本人の年収1,195万超 | 配偶者控除の対象外 |
だからシミュレーターで確認する
「自分の場合、独身と既婚でいくら違うのか?」
この記事の構造を理解したうえで、あなた自身の条件を入力して確かめてください。
年収・配偶者の有無・扶養人数・控除を入力すれば、
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料
- 手取り年収
- 手取り月収
が即座に出ます。
配偶者控除を入れた場合と外した場合を両方試せば、 差額があなた自身の数字で見えます。
税金シミュレーターで自分の条件を試算する
年収・控除・扶養を入力して、あなたの手取りの概算を確認できます。
この記事の根拠(出典)
本記事で使っている税率・控除額・保険料率・社会保険の扶養の年収基準は、以下の一次情報(2026年9月時点)で確認しています。制度は改正されるため、最新の内容は各リンク先でご確認ください。
- 令和8年分の所得税の基礎控除(合計所得489万円以下104万円/489万円超655万円以下67万円/655万円超62万円)と、給与所得控除の最低保障74万円(給与収入220万円以下):国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(PDF)(1ページ目 ⑴イ の基礎控除額の表と ⑵イ の給与所得控除の表。給与収入への換算665万5,556円・850万円も同じ表にあります)/国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税に適用)
- 給与所得控除の計算式(給与収入360万円・660万円・850万円で式が変わり、850万円超は195万円で頭打ち):国税庁「No.1410 給与所得控除」。同ページ(令和8年4月1日現在法令等)には、令和8年分・令和9年分(220万円まで74万円)と令和7年分(190万円まで65万円)の表が並んでいます。国保の試算で使った前年(令和7年分)の所得は、令和7年分の表で出しています
- 所得税の速算表(課税所得195万円・330万円・695万円・900万円・1,800万円・4,000万円で区切る5%〜45%の7段と控除額)と、課税所得の1,000円未満切捨て:国税庁「No.2260 所得税の税率」
- 所得税額に2.1%を上乗せする復興特別所得税(復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%):国税庁「個人の方に係る復興特別所得税のあらまし」。⚠️同ページの課税期間「平成25年から平成49年(令和19年)まで」は改正前の記載で、令和8年法律第12号による延長と分割が反映されていません。改正後の条文は次の2本で読めます。⚠️e-Gov法令検索は版を指定しないと現行版が開き、改正前の「百分の二・一」「令和十九年」が表示されます。下は2027年1月1日施行版を指定したURLです:復興財確法(2027年1月1日施行版)(第13条「基準所得税額に百分の一・一の税率を乗じて計算した金額」=1.1%/第9条第1項「平成二十五年から令和二十九年までの各年分」=課税期間の延長)/防衛特措法(2027年1月1日施行版)(第5条の9「基準所得税額に百分の一の税率」=1.0%/第5条の5第1項「令和九年分以後の各年分…当分の間」)。令和9年分から令和29年分までは1.1%と1.0%に分かれますが、合計2.1%は変わりません
- 健康保険料率9.85%(本人4.925%)・介護保険料率1.62%(本人0.81%)・子ども・子育て支援金率0.23%(本人0.115%)と、標準報酬月額の等級表(健康保険は上限139万円):全国健康保険協会「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)」(PDF)/全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」。⚠️料率は都道府県支部ごとに異なります(令和8年度の全国平均は9.90%)。本記事は東京支部の率で試算しています
- 厚生年金保険料率18.300%(本人負担は折半の9.150%)と、標準報酬月額の上限65万円:日本年金機構「保険料額表(令和2年9月分〜)」/同ページから開ける令和8年度版の保険料額表(PDF)に、等級1の8.8万円から等級32の65万円までと、労使合計18.300%・折半額9.150%の保険料額が載っています
- 雇用保険料率(一般の事業・労働者負担5/1,000=0.5%):厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(PDF)(令和7年度の5.5/1,000から引下げ)
- 住民税の所得割10%(道府県民税4%+市町村民税6%)・均等割4,000円(1,000円+3,000円)と、均等割と併せて徴収される森林環境税(国税)1,000円:総務省「個人住民税」(政令指定都市は道府県民税2%+市民税8%で合計は同じ)
- ふるさと納税の控除が3本立てであること(①所得税の寄附金控除=総所得金額等の40%が上限/②住民税・基本分10%=同30%が上限/③住民税・特例分=住民税所得割額の20%が上限)と、③が上限に達すると実質負担が2,000円を超えること:総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」/国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
- iDeCoの拠出限度額(企業型確定拠出年金にも他の企業年金にも加入していない会社員は月23,000円=年27.6万円):e-Gov法令検索「確定拠出年金法施行令」(第36条第2号「二万三千円」)。⚠️令和7年の年金制度改正で、2026年12月の拠出分から限度額が引き上げられる予定です
- 配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の額と、その所得要件:国税庁「No.1191 配偶者控除」(本人の合計所得900万円以下38万円/900万円超950万円以下26万円/950万円超1,000万円以下13万円)/国税庁「No.1180 扶養控除」(一般38万円・特定扶養63万円)/令和8年分の所得要件(配偶者・扶養親族の合計所得62万円=給与収入136万円)と配偶者特別控除の逓減表は上記「あらまし」の2〜3ページ。住民税側の控除額(配偶者控除・一般扶養は33万円、特定扶養は45万円。配偶者特別控除は配偶者の合計所得100万円=給与収入174万円まで満額33万円が続き、所得税が満額38万円を維持する合計所得95万円=給与収入169万円より1段広い)はe-Gov法令検索「地方税法」第314条の2第1項第10号・第10号の2イ(1)・第11号
- 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件のうち、週の所定労働時間20時間以上・所定内賃金が月8.8万円以上(いわゆる「106万円の壁」)・従業員51人以上の企業という3つと、この賃金要件が2026年10月1日から撤廃されること(2026年9月11日公布の政令で施行日が確定。2026年10月1日施行版の健康保険法第3条第1項第9号・厚生年金保険法第12条第5号では、短時間労働者を被保険者としない要件が週の所定労働時間20時間未満と学生の2つになる)。および年収130万円以上(障害者は180万円以上)で配偶者の扶養(第3号被保険者)から外れること/厚生年金の被保険者(第2号被保険者)である人は第3号被保険者にならないこと:厚生労働省(法令等データベース)「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の一部の施行期日を定める政令」(令和8年9月11日 政令第275号)(PDF)/e-Gov法令API v2で取得した健康保険法(law_revision_id 211AC0000000070_20261001_507AC0000000074)・厚生年金保険法(329AC0000000115_20261001_507AC0000000074)/e-Gov法令検索「国民年金法」第7条第1項第2号・第3号(第3号被保険者から「第二号被保険者である者」を除く。2026年9月30日確認)/厚生労働省「短時間労働者の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入拡大のポイント」(令和8年1月作成)/厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」/日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 企業規模要件(従業員51人以上)は令和9(2027)年10月〜令和17(2035)年10月にかけて36人以上→21人以上→11人以上→全企業(被保険者1人以上)へ段階的に撤廃されること(政令委任ではなく、法律の附則に暦日で規定済み):厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案の概要」(衆議院修正反映版)(施行期日欄に「Ⅰ1①(企業規模要件)は令和9年10月1日」と単一の期日を明記)/e-Gov法令検索APIで厚生年金保険法附則第17条第1項・第17条の3の2、健康保険法附則第46条第1項・第46条の2を確認(law_revision_id=329AC0000000115_20291001_507AC0000000074/211AC0000000070_20291001_507AC0000000074・2026年9月17日):企業規模の適用除外は「令和十七年九月三十日までの間」の期限つきで、令和17年10月1日以降は除外自体が失効し全企業が対象になる
- 国民年金保険料(令和8年度は月17,920円)と、納めるのは20歳以上60歳未満の第1号被保険者で第3号被保険者は自分で納める必要がないこと。第3号被保険者は20歳以上60歳未満で原則として年収130万円未満の配偶者であること:日本年金機構「国民年金保険料」/日本年金機構「国民年金の「第1号被保険者」、「第3号被保険者」とは何ですか。」
- 第3号被保険者(被扶養配偶者)の認定でも、障害厚生年金を受けられる程度の障害者は収入の基準が別に定められ、現在はその額が180万円未満であること:厚生労働省年金局「第3号被保険者制度について」(第7回社会保障審議会年金部会 資料1・2023年9月21日)(PDF)(4ページ「第3号被保険者の生計維持関係の認定に当たっては、年間収入が130万円未満であることが必要(健康保険の被扶養者の認定の取扱いを勘案する。)」、5ページの被扶養者認定の通知の抜粋に「60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあつては180万円未満」)/厚生労働省「国民年金法における被扶養配偶者の認定基準について」(昭和61年3月31日庁保発第13号)/厚生労働省「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて」(令和7年10月1日・年管管発第1001003号・保保発第1001003号)
- 社会保険の扶養に入れる年間収入は原則130万円未満で、60歳以上(または障害者)は180万円未満であること:日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
- 国民健康保険料は前年の総所得金額等から43万円を引いた額に所得割をかけ、均等割を足して計算し、40歳から64歳までの人(介護保険第2号被保険者)は介護分が加わること。令和8年度の東京23区の料率(千代田区など20区は医療分7.51%・47,600円、後期高齢者支援金分2.80%・17,600円、介護分2.43%・17,800円、子ども・子育て支援金分0.27%・1,873円。中野区・江戸川区・目黒区は一部が異なる)と、川崎市の料率(医療分8.26%・43,261円、支援金分2.89%・15,306円、介護分2.67%・15,828円、子ども・子育て支援金分0.32%・1,742円)。葛飾区の計算例は各分を1円単位で出していること:東京都保健医療局「令和8年度 特別区国民健康保険料一覧表」(PDF)/葛飾区「国民健康保険料の計算方法(令和8年度)」/川崎市「令和8年度の国民健康保険料について」
- 短時間労働者のうち、高校生・大学生などの学生は健康保険・厚生年金保険の被保険者にならないこと。ただし卒業後も同じ勤め先で働く予定の人、休学中の人、定時制・通信制・夜間の課程の学生などは除くこと:e-Gov法令検索「健康保険法」第3条第1項第9号(学生を除く規定)・e-Gov法令検索「健康保険法施行規則」第23条の6第1項・第2項/e-Gov法令検索「厚生年金保険法」第12条第5号(同)・e-Gov法令検索「厚生年金保険法施行規則」第9条の6第1項・第2項/日本年金機構「短時間労働者の要件に『学生でないこと』がありますが、『学生』とはどのような者を指すのですか。」(2026年9月30日確認)
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